大判例

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東京高等裁判所 昭和52年(ネ)547号 判決

被控訴人のような普通地方公共団体の公有財産は、条例の定め、または議会の議決がなければ交換に供することができないから(地方自治法九六条一項六号、二三七条二項)、被控訴人の市長、訴外冨山が訴外荒井となした本件交換契約は右各法条に違反するものであり、右各法条が公有財産の交換に条例の定め、議会の議決を要するとしたのは、公有財産の処分を普通地方公共団体の長の単独専行に委ねず、条例制定権、議決権を有する議会による抑制を加えることにより、当該普通地方公共団体における地方財政の民主的かつ健全な運営をはかるためであることを考えると、右各法条違反の本件交換契約は無効と解するのが相当である。

控訴人は、被控訴人においては従来より条例の定め、議会の議決にかわる市議会全員協議会の承認をえて公有財産の処分がなされているところ、本件交換契約についても全員協議会の承認はなされており、また同契約により被控訴人は実質的不利益を受けていないから、前記各法条に違反しても契約は無効ではない、と主張するが、前記各法条の立法趣旨を考えると、地方自治法上の正規の議決機関ではない全員協議会の承認を条例の定め、議会の議決と同視することはできず、また控訴人の主張する違法な措置の慣例化や処分が実質的に被控訴人にとって不利益でないことも前記各法条違反による処分の無効を左右するものと解すべきではない。

(吉岡 前田 上杉)

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